先週ジュネーブで行われたばかりのメニューイン・コンクール(ヴァイオリン)表彰式をYouTubeで見ていたら、壇上に並んだ審査員のなかに髪を束にして後ろに結んだ東洋人とおぼしき人がいる。
陽気で落ち着かない仕草はかなり目立ち、ヘンな人だなぁと見ていたら、審査委員長のパメラ・フランクが審査員を紹介するとき、彼を、
「ジョージ・ハットリ、ジャパン=オーストリア」
と紹介した。
ハットリ・ジョージ?
調べてみたら……服部譲二、ヴァイオリニスト、指揮者。
あのセイコーの服部一族に名を連ねる人だそう。母はヴァイオリニストの服部豊子。
8歳で家族とウィーンに渡り、ウィーン国立音大でライナー・キュッヒルに師事。1989年のメニューイン・コンクールで1位になるなど、国際コンクールの入賞歴多数。いまは英国在住で、王立音楽院の客員教授と紹介しているサイトもある。
コンクール期間中に行われた審査員のマスタークラスで、氏が講師をつとめる動画を見ると、左手のポジションや弱奏の弾き方(ウィーン風?)などを流ちょうな英語で指導し、なかなかに面白い。
あるサイトでは一時、紀宮の相手の有力候補だったそうな。
ちょっと「天然系」の人に見えるが、YouTubeでわずかに聴ける氏の音は、甘く艶やかでとっても魅力がある。