by koechel581
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95才で田舎に一人暮らしを続ける父親は、せっせと家の中の物を整理している。もちろん「断捨離」などを図る年齢ではもうなく、悲しいことだが「立つ鳥~」の心境でいるのだろう。
そんなガランとした部屋の隅に古いアルバムが残してあり、その中に下の写真があった。幼児の頃の父のようだ。どこで撮ったものかと聞くと、 「関東大震災の直前、東京の深川で撮ったものだと思う」という。 当時、祖父は板橋の某メーカーに勤めていて、大震災のとき、父は祖母に背負われてかろうじて逃げ延びた。祖母からもよくその時の話は聞いていた。 その後、祖父が病死してしまったため、二人は山形の実家に戻ることになる。 時は巡って、それから約半世紀後に私と妻が結婚。 96才になる妻の父親は、多摩の家で一人暮らしを続けている。 で、ある日のこと、義父が大震災の思い出話を語ってくれた。 「あのとき私は深川にいてね……」 なんと! ひょっとしたら父と義父は、逃げ惑う人たちの中ですれ違っていたかも知れないのだ。そのことを妻に話すと、彼女もしばし呆然としていた。
by koechel581
| 2017-09-21 22:10
| @山小屋・その他
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